会長挨拶
1988年に最初の臨床心理士が誕生し、2018年には心理職として初めての国家資格である公認心理師の試験が行われました。当初9名で始まった徳島県臨床心理士会は、2020年2月に徳島県公認心理師・臨床心理士協会と名称を改め、2023年には約300名の会員を擁する職能団体になりました。
このような心理職の資格の変遷や会員数の増加とともに、こころの健康の保持増進に関する社会からの関心とニーズも高まってきており、私たち臨床心理士・公認心理師が果たすべき役割は非常に大きいものだと感じています。そのなかで、より社会的なニーズに応えることのできる団体に成長するために、一般社団法人を設立することを決断し、約1年間丁寧に準備をしました。そして、多くの方々のご協力を得て、2024年4月に無事に設立するに至りました。この場を借りて、ご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
心理職として、資格の取得はあくまでも専門家としてのスタートであり、その資格が個人にとってだけではなく世の中にとって意味あるものとして存在し続けるためには、自らがその意味を問い直し続けることが大切です。また、資格を持った者は時代のニーズに応えられるように専門家として研鑽し続けることが重要です。もちろん個々の自己研鑽も重要ですが、職能団体があることで、個々の研鑽では得ることができない、つながりのなかで得られる学びがあると思っています。
法人設立のための準備はとても大変な作業でしたし、法人の維持運営も簡単なことではないと認識しています。また法人を設立したからというわけではないですが、社会的な責任もさらに高くなるだろうと思っています。
その自覚を持ちつつ、徳島県公認心理師・臨床心理士協会は、徳島県における心理職の職能団体として、県民の皆様により良い心理支援を提供していけるよう、一層尽力してまいりたいと思います。
2024年4月1日
一般社団法人徳島県公認心理師・臨床心理士協会
会長 小倉正義